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百景図よもやまばなし

第77・78図 どっちが雄滝(おんだき)?

7778

77図78図は同じ所にある滝である。津和野からいえば日原駅の約1キロ手前。国道9号線を右折し

JR山口線を越えて山に入ること約2キロ。300メートル手前まで車で行ける場所にある。

最初に目に入ってくる滝は、高く大きな岸壁から落ちてくる滝で大変な迫力である。但し水量は少ない。

仰いでみるような滝で、格斎さんはこれを雄瀧(おんたき)と紹介している。

次に70メートル先に、二段になって落ちてくる滝に出会う。これは目の高さで見える滝だ。

それほど大きくないが、水量は豊富である。格斎さんはこれを雌瀧(めんたき)と紹介している。

滝のスケールからいえばまさにその通りで、誰が見てもそうだろうなーと思う。

ところが地元の滝本(たきもと)の人たちがこの絵を見ると、

「この絵は雄(おん)と雌(めん)が反対じゃー」となる。

どうも滝の岩場の大きさでなく、水量の多さで雄雌の違いを見ているらしい。

初めの滝は、スケールこそ雄大だが水がちょろちょろなのだ。(大雨になれば凄いが。)

その見方からすれば頷ける。地元の人はずーっとそう言い伝えているそうだ。

ということになれば、若しかしたら格斎さんが雌雄を勘違いをしていた可能性がある。

この絵外国の人も勘違いする。78図の雌(めん)瀧の英語表示がMen Falls なのである。

「メンフォールズ。 オオ、 オトコノタキネ」となるのである。

が、待てよ。そう解釈すると外国の人は地元の人と同じということか。

「その解釈間違ってませんよ」と言いたくなる。