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百景図よもやまばなし
第92図 人丸神社は何の神?
尾のしだり尾の ながながし
夜をひとりかも寝ん」
と百人一首で有名な、歌聖
柿本人丸が祀ってあるのが
この高津人丸神社である。
ということでこの神社は歌詠みが祈願に来る、学問の神社であると思っていた。
ところが最近は妊婦の方も参りに来ている。頭のいい子が生まれますように、
という祈りかと思っていたら、安産の祈りだった。
ここは人丸神社。ひとまる。人産まるということなのだ。なっ、成程!
そうこうしていると消防関係の人も参っているようだ。何故?
柿本、カキノモト 火気の元。 人丸 ヒトマル 火止まる。なーるほど。さすが日本人だなー。
そしてもう一つ人丸さんは、石見に和紙を伝えたという逸話もあり、
和紙の祖神としても崇められているのだ。
人丸の「誕生の地であり、終焉の地でもある」と言われているここ石見は、百人一首にちなみ
昔からかるたの盛んな地域であり、年中かるた大会が催されている。
(「ひとまろさんかるた大会」というのもある。)
そのせいもあり、全国に名を成すカルタ取りの猛者が、子供から大人まで数多く存在している。
因みに柿本神社はここから西の方約10キロ離れたところ、戸田にもある。
木々に隠れて目立たない社だがここの神社の造り、特に彫り物には目を奪われるものがある。
津和野藩のお抱え絵師大島松渓の作と伝えられているが、こんな凄いものにはなかなかお目にかかれない。
一羽の鶴が口に何かをくわえている。それは一匹のドジョウ。鶴の先には二羽のひなが待っている。
何ともかわいい。そして見事である。沢山の彫り物で時の経つのも忘れてしまう。
皆さん是非見に行って見て下さい。