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百景図よもやまばなし

幕末?

39この絵の時代は1854年以降1872年の頃に、

格斎さんが見た津和野だと前回書きました。

その当時といえば、尊皇攘夷の嵐の中で250年

続いてきた徳川政権がひっくり返った

大きな歴史の転換期。

津和野でも大村益次郎が奇兵隊を率いて

城下に入る入らないの切羽詰まった問題

明治になって隠れキリシタンの人々を153人も預かり改宗を迫った事件

そのうち津和野藩もなくってしまった頃の絵なのです。

そんな激動の津和野なのですが

百景図にはどこにもそんなあわただしい姿は見られません。

上の絵など侍たちは花見で歌を詠み酒を飲み、長閑そのものです。

明治も終わろうとする頃、格斎さんはあえて、藩主玆監公と見た

古き良き時代の津和野の風景や行事、慣習といったものを

残したい、留めたいという一心だったかもしれませんね。

「里治よくやった」亡き殿様の声が聞こえてきそうです。

格斎さんの心は今でも町の人々に引き継がれています。