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百景図よもやまばなし
第57図 神の田と書いて「じんで」
雲井峯と書かれている。
我々は、たかたやまと呼んでいる。
523メートルの高さだ。
火山性の山で、大きな岩が
ごろごろしている。
その岩が谷に転がり落ちて水を塞き止め、その上を越して流れ落ちたのが白糸の滝ということになる。
その山の南側にも大岩が転がり落ち、神田の潜り岩となった。だが新しい道路ができる度に、
岩が破壊され、いつの間にかなくなってしまった。あるのはほんの少しの岩である。
今から3年前、激甚災害に襲われたのもこの辺りからである。
杉の大木がこうした岩に挟まれ、ダムのように水を塞き止め被害を大きくしてしまった。
鯉の掘割の水が常に濁っているのは、この上流の工事のせいである。
早く終わって、津和野を訪れた人に、きれいな水で泳ぐ鯉を見てもらいたいものだ。
神田も不思議な地名である。若しかしたら昔ここで戦があり陣を出した。
だから「陣出」。そんな由来はないのであろうか?
この先の道は丁度萩に通じる。陶晴賢の一隊も、ここを通って攻めに来たに違いない。
どなたか教えて欲しい。
左右の写真はその潜り
岩の辺りである。新し
い道路の隅の方に
ひっそりと昔の面影を
残している。7~8
メートルもある巨岩が
ゴロゴロしていて壮観である。
この絵の通りである。
後日談 江戸時代鷲原神社の祭礼の時、神饌田である神田の田の「キヨメ」をしていた
と記録にある。 また最近では太皷谷稲荷神社の神饌田として、神田の田の新米を奉げるという。
陣出とは全く関係なかった。神饌田としての神田であった。要するに神社に寄進された田ということである。
そういえば津和野には寺田という地名もある。ここらは寺に寄進された田がある所である。