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百景図よもやまばなし

第59図 晴賢さんの置き土産

59この絵は手抜きかいなー

と思わせるような絵である。

ベターとした山。

Yの字を逆さにしたような道。

馬と馬子。遠くに一人。

手前に松。

ところが実際こんな景色なのである。

陶ケ嶽と言えばかっこいい名であるが、私たちは子供時代「陶ケ嶽」なんて呼んだためしがない。

大陰山(おおかげやま) である。大陰山は北向きで暗いのだ。

だから年中こんな感じで、格斎さんはこの山のイメージをズバリ表して

「その通りです」と言うより他ないのである。

現在テレビの中継アンテナが山上付近に立ち並んでいる。

いつかこの場所から城跡を見下ろし、陶晴賢の思いに迫ってみたい。

さて、百景図には馬子が多いのだが、こんなに皆さん利用していたのだろうか。

馬は時にはトラックとして時にはタクシーとして、この時代の陸上輸送の重要な役割を

担っていたということなのだろうか。

街道を行く馬、山里を行く馬、船に乗る馬などこの後たくさん登場する。

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因みにこの写真、陶晴賢が三本松城を攻めた時

 (1554年)に置いていった茶釜である。陶の

菩提寺「龍文寺」の銘が打ってあるのが証拠。

なんと大正10年の鉄道建設の時にこの山の

麓から出土発見された。104日の籠城戦で

何とか死守した吉見氏であったが、敵はお茶を

愉しみながら戦をしていたのだ。毛利に本陣を

つつかれ、急いで引き返したため置いて帰ったものと思われる。津和野の郷土館に展示されている。

これも是非見ていただきたい。