センター日記
【秘境を撮る】『津和野百景図』の世界へ。喜時雨編
『津和野百景図』を手掛かりに、
「思わずシャッターを切りたくなる」
そんな津和野の知られざる名所を紹介する
【秘境を撮る】シリーズ第3弾。
今回は
「喜ぶ」「時雨(しぐれ)」と書いて
「喜時雨(きじゅう)」という場所をご紹介します。
美しい名前のとおり、
実り豊かな田畑、森を背景に佇む民家、
絵に描いたようなのどかな風景が広がっています。
そして喜時雨は、津和野の歴史を語るには外せない
重要な場所のひとつでもあるのです。
さっそくカメラを片手に、その場所を目指します。
城下町から喜時雨までは、
町営バスに揺られて約10分。
自転車を借りるのも気持ちが良いです。
川沿いの遊歩道をゆっくりとこぐ。
道のりには森鷗外、西周の旧宅や
前回紹介した鷲原八幡宮があります。
鷲原八幡宮から、城山を回るように、
緑に囲まれたカーブを曲がる。
すると道中、百景図の風景に出会うことができます。
第四十五図「喜時雨崖」
絵の男性が何か手に袋のようなものを持っています。
この川の淵から湧き出た鉱泉が、
肌に効くと、よく汲まれていたとのこと。
今も鉱泉は湧き出ているそうです。
この二股の道を右に折れると、喜時雨。
このあたりも、百景図に描かれています。
第四十六図「喜時雨庄屋の前」
津和野藩主亀井玆監が行列を組んでどこかへ向かっています。
行列の横に描かれているのが、庄屋・山本家。
その門が、今も残っています。
行列が向かう先に、小さい鳥居がある。
その神社が次の絵に描かれています。
第四十七図「縣社津和野(けんしゃつわの)神社」
津和野神社は、江戸時代より津和野を治めた亀井家の
藩祖玆矩を祀っています。
階段に沿って背の高い杉並木が描かれていますが、
現在はどうなっているのでしょうか?
現在の津和野神社入り口。
絵と同様に、並木がそびえ立っています。
さらに、奥に進むと。。。
社殿に登る階段が現れます。
ここも巨木が並び、当時の面影を見ることができます。
辺りを背の高い木々に囲まれ、
音は鳥の鳴く声ばかり。
なんだか神秘的な空気が漂います。
階段にびっしりと、苔が生えています。
歴史の重みを感じながら、
滑らないようにゆっくり登る。
階段を登りきったところにある社殿。
喜時雨は津和野城山の裏側に位置していますが、
「裏」と言っても、実は江戸時代以前は
ここが津和野の「表」だったのです。
鎌倉時代より津和野を治めていた吉見氏が
木部の木曾野(きその)からこの喜時雨に移り、
津和野の大手(城の正面)を築いた場所でした。
夜燈には江戸時代の藩主・亀井家の家紋
「隅立四つ目結」が刻まれています。
この小高い丘からは、集落が見渡せる。
春には桜が咲き乱れるという。
お殿様もここを訪れ、
この景色を見ていたのかと思うと、
一層感慨深く、美しく感じます。
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