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センター日記

【秘境を撮る】『津和野百景図の世界』へ。中座・前編

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「思わずシャッターを切りたくなる」

そんな津和野の知られざる場所を
津和野百景図を手掛かりに探す、
【秘境を撮る】シリーズ第5弾。

今回は特に写真が多いため、
前後編2部作でお伝えしたいと思います。

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津和野城下町絵図にも
描かれている白枠の箇所
「中座(なかざ)」という場所をご紹介します。
城下町の南西に位置し、
中心部から自転車で7分、
歩いて20分ほどでしょうか。

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のどかな田園と、
歴史の面影が混在する風景。
コケの生えた石垣や、
レトロな酒蔵、黄金色の稲田など、
写真を撮る人なら、
きっと心揺さぶられる景色があるはず。

津和野の観光名所でもある
森鷗外の旧宅や記念館、
以前紹介した鳴滝とも近いので、

合わせて訪れることのできる場所です。
(過去の記事:鳴滝編はこちら

img_1462%e7%b8%ae%e5%b0%8fまずは目印となる
「高砂酒蔵資料館(財間酒場)」を目指します。

殿町通りから大橋を渡りまっすぐ、
警察署やスーパーが見えたら、
左に曲がり、すぐ右に曲がり、さらに南へ向かいます。

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ゆるやかな坂を5分ほどのぼると、
左手に巨大な白壁が見えてきます。

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「高砂酒蔵資料館(財間酒場)」
江戸時代寛政3年(1791年)から続く老舗の酒蔵です。
国登録有形文化財に認定されています。

img_1449%e7%b8%ae%e5%b0%8f中は資料館になっており、
昔の酒造りで使われていた樽や
釜などの道具を見ることができます。

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昔の酒造りのようすを描いた壁画。
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のれんには「創業寛政三年」の文字が。

img_1430%e7%b8%ae%e5%b0%8f現在使われている酒樽も
特別に見せて頂きました。
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img_1464%e7%b8%ae%e5%b0%8f高い天井に張り巡らされた梁(はり)。
今では真似できないような、
贅沢な一本木が使われています。

「思わずシャッターを切りたくなる」
財間酒場さんは津和野に来たら
ぜひ訪れて欲しい場所です。

img_1484%e7%b8%ae%e5%b0%8fさて、財間酒場を出てお隣に、
昔ながらの赤いポスト。
背景の石垣に重厚感がありますね。

img_1486%e7%b8%ae%e5%b0%8f苔や植物の生えた姿に、
歴史の深さを感じます。
実はこの石垣、
津和野百景図に登場してくるのです。

63-%e9%ab%98%e5%b4%8e%e9%82%b8第六十三図「高崎邸」

ここには津和野藩主
亀井家の分家(親戚)である、
高崎亀井家(こうさきかめいけ)の
本邸がありました。
人の大きさと比べると、
壁の高さがわかります。
広大な敷地に
見上げるほど高い位置にある屋敷。
城下町南西の端に位置していたことから、
万が一戦に備えて、
南西の守りの役目を持った造りだったのでしょう。

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第六十四図「高崎の松」

この絵にも
高崎邸の塀が描かれています。
行商の人でしょうか、
木の下に佇む背中の曲がった
おじいさんも描かれています。
となりの女性が傘を持っているので、
雨やどりでもしているのでしょうか。

img_1491%e7%b8%ae%e5%b0%8f現在、石垣の上は公園や公民館
民家や棚田ができ、
おじいさんはもちろん、
子供も憩う場所になりました。

img_1473%e7%b8%ae%e5%b0%8fポストのうしろに、
人が一人乗れるくらいの段があります。
どうやらここが
見張り番の立つ台だったとのこと。

img_1472%e7%b8%ae%e5%b0%8fさて、今度は
財間酒場と赤ポストの
あいだの道を進みます。

img_1592%e7%b8%ae%e5%b0%8f踏切を越えたあたりで、
ぽっこりとした小山と、
鳥居が見えてきます。

img_1585%e7%b8%ae%e5%b0%8fここは丸山と呼ばれ、
高崎亀井家の敷地の端にあたるところ。
歩いてみると、
どれだけ広大なお屋敷だったかがわかります。

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下山神社の鳥居。
丸山は「津和野城下町絵図」にも
描かれています。

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①がポストがあった、
高崎亀井家の正面あたり。
②が丸山です。
こうして古地図をもとに歩いてみると、
150年前と現在を比べることができます。

img_1594%e7%b8%ae%e5%b0%8f丸山に沿うように、
さらに山へと続く坂道を登ると、
現在の国道9号線へとつながるのですが、
笹山という場所に続く峠道ものびています。
実は、丸山から笹山を抜ける道は、
津和野のお殿様がかつて
参勤交代で通った道だったのです。

宮島のある広島県廿日市まで
津和野街道と呼ばれる旧道が
今でも一部残っています。

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第四十六図 「喜時雨庄屋の前」

津和野から江戸まで、片道およそ1ヶ月。
今は飛行機も鉄道もバスもありますが、
当時の人は草鞋で峠を歩いたのですから、
本当にすごいことですね。
お殿様の行列が
通った道のりを辿りながら、
ハイキングしてみてはいかがでしょうか?

img_1530%e7%b8%ae%e5%b0%8f次回はさらに中座の奥、門林へ。
古い石垣の棚田や水路、
樹齢不詳の巨木など、
「思わずシャッターを切りたくなる」
そんな美しい風景ばかりでした。

【秘境を撮る】『津和野百景図』の世界へ。中座・後編はこちら

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